At Home works

赤ちゃんがやってきた

2013年に第一子を妊娠してから、母親としての自分の身体や心境、家族のあり方など、様々な変化に寄り添う日々を綴る林彩子のコラム

その59 0歳7ヶ月 

鎌倉はコミュニティが深く、近い

先日はゲストハウス「耳日」の
オーナー夫妻が、
赤ちゃんとママの集まりを
提案してくれて
みなで美味しいご飯をたべながら
自分の出産体験、お勧めの育児、困ってること、などを話す

こうやって繋がりを作っておくことで何かあったときの助け合いや
情報交換ができてとてもありがたい。

そして今日は
赤ちゃんも参加できる
チェロの生演奏を聴きに
個人宅に伺ってきた、
花紅さんにとっては
初のクラッシックコンサート

終演後はチェロに触らせて頂くという貴重な機会に恵まれる。
花紅真剣そのもの。

沢山の経験をして、
沢山の人に出会って
子供がいる人にも
いない人にも可愛がられて
それはとっても幸せなことだと思う。
そして
こういう場を提供し、
企画される皆様に感謝

写真 2014-11-22 20 34 53

その58 0歳7ヶ月 

花紅7ヶ月
表情も、身体も
一段とりんりんとして
寝顔などは赤ちゃんというより
小さな人、という感じ。

昨晩は優しい声で
パ、パ、ととまそんに言っていた。
マ、マ、は聞いてないのに!!

雨の日の窯焚き。
集中する15時間。
早朝義母がアトリエまで送ってくれる。
花紅さんは、
とまそんが預かってくれているので
没頭できる。

夕方、お向かいのHさんが
蒸したてホカホカの特大もち米肉団子と、
手作りのピクルス、
獲れたての生しらすと釜揚げしらすを
アシスタントさんの分まで作ってきて下さって
有難い有難い美味しい美味しい
と二人で手を合わせて頂く。

子供を育てながら仕事をするということは、
大変かもしれないけれど
家族の協力、
アシスタントさんの協力、
ご近所の方の温かい思い遣りを
より一層感じることができて幸せです。

その57 0歳6ヶ月 

花紅さんと江ノ電に乗って、
海を眺めながらアトリエにいく。
隣の席の方が
子育てが楽しいのは
赤ちゃんが健康だからよ、
と教えてくれる。

ここにアトリエを作って
本当によかったなあと思う。

花紅さんは
ほんとうによくできた人だから
そのことに甘えてないか、
無理をさせてないか、
改めてこの人の立場にたって
物事をみていこうね

とまそんが言う

一緒に子育てをする人が
この人でよかったなあと思う。

花紅六ヶ月

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その56 0歳5ヶ月 

陣痛の前日に
写真家の宮下マキさんが
写真を撮ってくれた

あれからもうすぐ六ヶ月になる

ついこないだのような
はるか昔のような

その一日を撮ったアルバムと
額装した写真

そこに写る
出産を控えた、自分の姿
よく見慣れた顔なのに

いまの自分とは全く違う気がする

その日の想いや
匂いや
お腹の重さや
空の色まで閉じ込めた
彼女にしかできない贈り物

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その55 0歳5ヶ月 

前菜は巨峰のジュレでございます

本日は特別に無農薬の、木で完熟させたトマトを使いました冷製スープをご用意いたしました

こちらはマッシュポテトとチーズのリゾットでございます

デザートに季節のフルーツのフレッシュジュースを、本日は梨でございます。

ただ濾したり、擦ったりしただけの
離乳食だけど
フルコースのようなメニュー説明をして自分を盛り上げる。
お義母さんがそれを聴いて笑う。

初めは舐めて味を確かめて
美味しかったら口をあけて
スプーンを引き寄せる

その喜びといったら!

器は花紅さんのために作った
お食い初めの器

昔、ついていた先生の息子さんが
まだカタコトのことばで
目にしたものすべてに
これはだれがつくったの?
と聞いていたとき、感動した。

作家の子供は全てのものは誰かが作っているって知ってるんだ!

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その54 0歳5ヶ月 

一人が洗濯している間に
一人がお料理する

一緒に暮らすっていいね、
と義母が言う。

一人が離乳食を用意して
一人が食べさせる
一人が抱っこしてる間に
一人が出掛ける準備をする

おかあさんがいてくれて
本当に助かってます
とわたしも言う。

家族で暮らす喜び

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その53 0歳4ヶ月 

赤ちゃんを連れて美術展に行くのは
難しいのだと思っていた。
素敵なカフェも、
諦めるべきことなのだと思っていた。

もちろん
オトナの空間を守るべき時や
場所はあると思うけれど
何もかも諦める必要はないんだ。
自分がその立場になって初めて
世の中が意外と
小さい人に優しいことに気づく。

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その52 0歳5ヶ月 

花紅さんは、夜7時位にだいたい寝るのだけれど、
そんな時、母がよく子供の頃してくれたように、

かこちゃんがある朝、お外へ出ると
真っ白い子犬が
かこちゃん、いいお天気だよ!
ピクニックにいこうよ!
といいました。

から始まる、創作話を小声で聴かす。
ストーリーはその時々で海に行ったり
お弁当作ってもらったり雨の日だったり。
とにかく幸せに始まり幸せに終わるお話。

その話をしたら母が、
憶えてるんだー!って言った。

憶えているよ
そして伝えていくよ

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その51 0歳5ヶ月 

子供と向き合う時
その反応がある前に
手を変え品を変え
してしまいがちだけれど、
じっと様子をみて
ゆっくりと接していれば、
気持ちが通じ合うんだと思う。

ついつい次のことに気がいく私に
とまそんが教えてくれること。

日々どんどん出来ることが増えて
彼女は毎日を感動して生きている

まだ生まれてからたった五ヶ月
この素晴らしい出会いが
当たり前にならないように
私も毎日の奇跡に感動して生きたい。

花紅さん 五ヶ月 

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番外 作陶について 

赤ちゃんが生まれて、
四ヶ月たった頃
チームAt Home Worksアシスタントの皆さんと、
家族やご近所の方々のおかげで
少しずつ仕事を再開できるようになりました。

これは一人では、絶対に無理だったと思います。

アトリエでの仕事中
アシスタントさんが交互に抱っこしてくれているあいだ、
彼女は興味津々で仕事をみています。

五ヶ月ぶりの長時間の窯焚きでは
とまそんが一日一緒にいてくれて、
花紅さんをみてくれました。

お向かいのHさんが
数時間預かって下さったり
お夕飯を差し入れして下さったり。

手ずからのお稲荷さんや
鶏の煮物に、
その温かい気持ちに
感謝の気持ちでいっぱいになります。

一人では出来ないけれど、
皆さんがいるから出来る事がある。
と実感しました。

そのおかげ様で
2014 9/10〜23には
伊勢丹新宿にて「1000CUP MARCHE」に参加させて頂き
こちらは嬉しい事に完売となりました

心から感謝を!

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登場人物
「私」

鎌倉在住の陶芸作家
初めての妊娠出産育児に新しい発見と面白みを見出す
家族とアシスタントさんに支えられながら育児と作陶を両立中 夫、義母、娘と四人暮らし


花紅(かこ)さん

2014年4月林家に誕生した女の子
心身共に健やかな人


ユパ様

腹の中にいたときの花紅さんの呼名


 
とまそん

夫 ミュージシャン
SheHerHerHersのベーシスト
鎌倉では「小川コータ&とまそん」としても活動中
嫁の仕事の影の立役者
哲学者のような深い洞察力で子育てを楽しむ


みっこさん

同居するお義母さん 野口整体指導者として毎日忙しく飛び回るが家ではキュートなお母さん兼、ばあば
「私」の憧れの女性


アシスタントさん

「私」のアトリエAt Home Worksに来てくれるアシスタントさん達
皆が積極的に子育てにも協力
アトリエではミルク、オムツ、寝かしつけ、作陶となんでもこなす。
チームAt Home Worksとして見事な連携プレーをみせる

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