At Home works

その9 6ヶ月

日増しに胎動を感じることが多くなり、
お腹もだんだん大きくなってくると
お腹を撫でて話しかけることも多くなる。
どの服もどの服もお腹の辺りが擦れて
毛玉だらけになったりして
二人で笑った。

赤ちゃんは何もわからない、というのは
こちらの勝手な思い込みで
多分なんでもわかっているし
今の私たちなんかより
よほど尊い存在が宿っていると感じる。

私の感じるものがそのまま
伝わるのだ。そう思うと、
きれいな景色をみたり
感動したり
沢山の感情や情緒こそをシンクロさせたいと
思うようになった。

そんな気持ちでいると
日々何気なく過ごしてきた景色にも
新しい気持ちで向き合える。
仕事中もこんな風にみんなでお仕事してるんだよ、
出てきたら一緒にここに来ようね、
アシスタントさんもみな
ユパ様と会うのを楽しみにしてくれてるよ、
と伝えながら仕事をした。


[ - 赤ちゃんがやってきた ]

登場人物
「私」

鎌倉在住の陶芸作家
初めての妊娠出産育児に新しい発見と面白みを見出す
家族とアシスタントさんに支えられながら育児と作陶を両立中 夫、義母、娘と四人暮らし


花紅(かこ)さん

2014年4月林家に誕生した女の子
心身共に健やかな人


ユパ様

腹の中にいたときの花紅さんの呼名


 
とまそん

夫 ミュージシャン
SheHerHerHersのベーシスト
鎌倉では「小川コータ&とまそん」としても活動中
嫁の仕事の影の立役者
哲学者のような深い洞察力で子育てを楽しむ


みっこさん

同居するお義母さん 野口整体指導者として毎日忙しく飛び回るが家ではキュートなお母さん兼、ばあば
「私」の憧れの女性


アシスタントさん

「私」のアトリエAt Home Worksに来てくれるアシスタントさん達
皆が積極的に子育てにも協力
アトリエではミルク、オムツ、寝かしつけ、作陶となんでもこなす。
チームAt Home Worksとして見事な連携プレーをみせる

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