At Home works

赤ちゃんがやってきた 記事一覧

その78 2歳3ヶ月 

お母さんが毎日こどもと接して
覚えたての片言が何を意味するのか
わかるように
うちに来ているアシスタントの皆は
花紅さんが何を言っているのかほとんどわかっているみたい。

仕事場にいくとまず花紅は
私たちと一緒にロクロの前で土をたんたんと叩いて製作をして、
そのあとアシスタントさんとお散歩にいってたっぷり遊んでもらってくる。

漏れ聞こえる二人の会話はまるで友達同士のようで、一瞬片方が2歳の子供だということを忘れてしまう。
赤ちゃんだからと適当なことを言わずに真っ当な会話をしているのがすごい。

信用する人に何も注意を与えずに子供を任せられて
仕事ができる幸せは、本当にかけがえのないものだとおもう。

こどもを連れてお仕事がんばっててすごいですねーと言われることがあるけれど、
私の場合、
それはチームでやっていることで私ひとりの力じゃない。
花紅はチームの一員だし、
アシスタントさんたちはみな、
花紅の母なのだ。

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その77 2歳! 

毎日毎日感動する

昨日は初めて「おかえりー」って言って、今日は初めて「美味しい」って言いながら食べた、
一昨日からボールをドリブルする、
昨日からジャンプ!って言いながら飛び跳ねる
少し前から人を認識して会ったらその名前で呼ぶ、

みたいにその成長は著しく見事だ。

アトリエからの帰り道、車で流れるラジオの番組が沖縄の特集で
沖縄の音楽がずっと流れていた。
そのコーナーがおわって、音楽がウクレレの曲に変わると
「パパ!パパ!」と言ってびっくり。
そうだね、パパの音楽はこの音色だもの。私もいまそう思ってたもの!

日々じんわりと感動するを更新し続ける人。
2歳ってすごい!!

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その76 1歳8ヶ月 

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あけましておめでとうございます
今年も林彩子、並びに
At Home Worksを宜しくお願い致します。

花紅さんは
両親にとって10年ぶりの孫
上の子たちが少し自立してきて
さみしいなーというころに
生まれた。

我が家はクリスマス、お正月と
毎年親戚一同が集まり
ワイワイパーティをする家で
団子のように年が繋がる
いとこたちとはいまでも兄弟姉妹のごとく仲良し。

花紅が生まれた時いとこたちと年が離れてしまって一緒に遊べないなあ
という私に
いやいや、離れてるからこそ
可愛いがってもらえるんだよ大丈夫
と言ったとまそんは、
兄弟いとこと一回りの年の差があるので説得力がある。

果たして、
遅れてきたルーキー花紅は
どちらの親戚からも可愛いがられて
いとこも目一杯遊んでくれて
嬉しくて楽しくて
りんりんと輝くよう。

一年でおすわりができるようになり、ハイハイをマスターし、
つかまり立ち、歩きだし、走りだし、
哺乳類からストロー、直コップ両手持ち、片手もちでカンパーイ、
バンボからベルトあり椅子、
ひとりで大人用の丸椅子に座っていられるようになり、
トイレに座る成功率も着々と上がっている。

今年一年彼女の中でどれだけ
色んなことが進化するのか
楽しみ楽しみ!!

その75 1歳8ヶ月 

赤ちゃんがやってきその75
花紅1才8ヶ月

花紅が まま、と言うようになった。
嬉しくて嬉しくて過去のコラムを読み返したら、パパ、といったのは7カ月だった。実に一年の差!

幼稚園に勤める友人に、
それは奥さんに感謝しなくちゃ、
家でパパが、パパがと言ってくださってるからだよ、という話を聞いたとまそんが、ありがとうと嬉しそう。

今年は仕事を復帰した年で、
3月の新宿伊勢丹からはじまり、
ありがたいことに講師のお話も頂いたので、新しい出会いも沢山あった。

花紅はいつもアトリエに一緒に
行って、歩くようになってからはアシスタントの皆さんとお外に散歩に行ったり作陶をしたり。
出来上がった作品を、花紅さんのだよと見せたらわあーと嬉しそうに手にとり、胸に当ててみたりする。

小さい体に土っぽい仕事場や
疲れてもすぐに帰れない環境は負担かもしれないけれど、
皆と何かを共有しながら過ごす喜びを感じてくれたらいいな。そして
一緒に仕事場に行けるってすごいことだなあと改めて周りの皆さんにも感謝の一年。

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その74 1歳7ヶ月 

アシスタントゆうこちゃんと車でアトリエに向かっているときに
同じような車がスライドするみたいに三台前に入ってきた。

ゆうこちゃんは

こういうのみるとラッキーって感じしますよね何かいいことありそう!

と嬉しそうに言った

クラッシックを聴かせて育てたお米やお酒は美味しい、という説があるけれど、
ましてや小さな子ならどうだろう
テレビのバラエティの音や
両親の喧嘩や
母親のため息をいつも聴いて育ったら。
いい音楽や、感謝の言葉や
お母さんの料理をする音を聴きながら育ったら。

ゆうこちゃんのご両親はきっと
わ、ラッキー!
いいことありそう!
といった言葉をいつも言われる方なんだろうな、と思う。

最近とみに
色んなことが出来るようになり
行動の真似をするようになってきた
花紅さんをみていると
私たちの日頃の
思考回路や言動が
この人の今後の人生を彩ることなると改めて気づくのだ。

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その73 1歳6カ月 

雲をみてあれ何にみえる?
っていう遊びも、
四つ葉のクローバーを探すのも
朝一番の霜柱を踏みつける
シャキッという感触も
みんな母が教えてくれた。

人生で最初に指針になる人
人生で最初の親友

母にまとわりつきながら
今日あったことを話す私に
いつでも母は
◯◯ちゃんの立場で考えると、
とか
色んな人がいるからね考え方もちがうよね。
と、一人の人として話を聞いてくれた。

こんなことをされてやだった、
という私には
じゃあそれは他の人にはしちゃだめだね、
嫌な気持ちにさせるものね

と教えてくれた。

子供のときには大人って完全体なんだと思っていたけど
自分が大人になると、
教職者も親も、私と同じ年なんだ、
あーそりゃ至らないわ、
とわかるようになる。

悩んだり、迷ったり、
恋に苦しんだり、
友達とケンカしたりして生きてるんだ。

そんな人が急に
親です先生ですって顔をして生きていくのだから、指導したり
ましてや支配するなんてとんでもない。
せめて寄り添って
沢山の話をして
一緒に育っていきたいと思う。

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その72 1歳5ヶ月 

トントントン
手でベビーベッドの淵を叩く

アトリエにいつも一緒にいって
私やアシスタントさんの仕事を
見ているから、
誰かが土を叩くと
一緒になって叩く。

そこで椅子に座らせて
目の前に手ロクロを置いてみると
ロクロを自分で回して
そこにおいた 土をすごい集中力で
叩いたりちぎったり。

わあ!!すごいー!
作陶してる!
これは来年あたり
菊練りはやっぱり花紅さんのが
一番空気はいってないわ
とか言ってたりして

とアシスタントさんが
笑う

しばらく集中しているので
皆で仕事をしていて
ふとみると
土を少し齧ったりしていて

わあ!
巨匠か!
この土は鉄分が多いね、とか!

アシスタントさんも
花紅も笑う

ある日のアトリエ風景

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その71 1歳4ヶ月 

もうすぐ26歳と2ヶ月です。
30と6カ月になりました。

大人になるとそんな風には
言わないけれど
小さな人は1ヶ月1ヶ月で
あまりにも進化するので
何歳何ヶ月です
ときちんと言うのかもしれない。

昨日はなかった歯が、
ある日突然完全体で現れる。

吸えなかったストローで
上手に飲めるようになる。

一週間前、お!歩いた!歩いたよ!
と言っていたのにもう次の週には
隣の部屋から当たり前のように
歩いてくる。

出来ることが増える自分が
嬉しくて、
嬉しくて、嬉しくてたまらない様子

朝から海までお散歩して
今年最後の海の家の
モーニングを食べにいく。
三人で手をつなぐと
交互に見上げて満足げに笑う。
こんなことが出来るようになったんだなあと感動する。

子供の時、こうやって手をつないで
もらうのがあんなに嬉しかったのは
両親が自分だけに向き合ってくれていたからかもしれないなあ。

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その70 1歳3ヶ月 

母方の祖母が亡くなったとき、
おばあちゃんの塩むすびがもう食べられないんだーと思った。
あの塩加減、むすび具合、
シンプルなのに絶妙で
遊びから帰ると
いつも用意してくれているのを
貪るように食べるのが大好きだった。

私がいなくなった時、
あれ食べたいって
何か思い出してくれるかなあ
と母がいう。

母はお料理上手で、
なんでも美味しいけれど
私はとりわけコロッケが大好きで
実家に帰るといつもおねだりしたくなる。

その話をいつもしていたからか、
先日とまそんが母に
コロッケを習いたい、と申し出た。
二人でキッチンにこもって
出来上がったコロッケは、
味は全く一緒で、
母のより少し端正な顔をしていた。

娘より義息子がしっかり
ものにしたコロッケ

いつか花紅さんも
パパのコロッケが最高!
って言う日がくるのだろう

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その69 1歳3ヶ月 

あーあーあーあー
パパパパわわわわ
うーーーうーーー

花紅を中心に
コーラスの輪が広がる。

ワークショップの二日間は
実家の母に来てもらって、
家事や子守を
頼もしい助っ人に任せきっている。

一番可愛い時だもの、毎月顔を見に来られて嬉しいわ、

と母が言う言葉に完全に甘える形
だけれど、偉そうに仕事と両立なんて言えるのは家族の支えがあるからだ。

同居する義母、みっこさんも
快く迎えてくださって
その時期我が家は
ばあば2人との五人家族になる。

中々顔を合わせない母同士が、
ニコニコと今日の花紅さんについて
話し合う食卓は
本当に優しい時間が流れていて
最近よく歌をうたう花紅が
あーあーと言い始めると
一斉に家族みなが
あーあーあー
うーーーーうーーーーー
とコーラスしだして、
その様子ははたからみれば
滑稽かもしれないけれど、
最強の愛の布陣にみえる。

いつかこの奇妙な家族団欒を
花紅が忘れてしまっても、
きっと心のなかに
何かが残るのだろうなあ。

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登場人物
「私」

鎌倉在住の陶芸作家
初めての妊娠出産育児に新しい発見と面白みを見出す
家族とアシスタントさんに支えられながら育児と作陶を両立中 夫、義母、娘と四人暮らし


花紅(かこ)さん

2014年4月林家に誕生した女の子
心身共に健やかな人


ユパ様

腹の中にいたときの花紅さんの呼名


 
とまそん

夫 ミュージシャン
SheHerHerHersのベーシスト
鎌倉では「小川コータ&とまそん」としても活動中
嫁の仕事の影の立役者
哲学者のような深い洞察力で子育てを楽しむ


みっこさん

同居するお義母さん 野口整体指導者として毎日忙しく飛び回るが家ではキュートなお母さん兼、ばあば
「私」の憧れの女性


アシスタントさん

「私」のアトリエAt Home Worksに来てくれるアシスタントさん達
皆が積極的に子育てにも協力
アトリエではミルク、オムツ、寝かしつけ、作陶となんでもこなす。
チームAt Home Worksとして見事な連携プレーをみせる

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