At Home works

その24 10ヶ月

普段車で通る道をゆっくりと歩く。
と、見える景色が違う。
あったかいね、桜がきれいだね、
いい季節だね、
とお腹に話しかけながら。
普段いかに時間に追われているかを感じる。
生まれたらきっと
こんな風にゆったりはしていられないから、
贅沢な時間だと思う。

鎌倉はいく先々で友人に出会う。
ユパさまもうすぐだねー
と皆が声をかけてくれる。

予定日まで一週間
一緒にいるのもあと僅か。
この頃になってやっと
覚悟が決まるというのか
待ちくたびれるというのか
気持ちの受け入れ体制が整ってくる。

もちろんロシアンルーレット感は
ぬぐえないし、
ドキドキはしてるし、
少し痛いときはハラハラするけれど。
とまそんは仕事に行くたび
陣痛きたら連絡してね、
と必ず言って出掛ける。

いつ産まれてこようと思うのかなー

と言ったら

ある朝ふと目が覚めるように
その時を迎えるんだと思うな。
母体もユパも準備か完了したとき
全てがそうであるように
動くのだと思う

という。

いつが私たちの その時 なんだろう。

美しい季節に
産まれてきてくれることに感謝
きっとこの世界が好きになる。


[ - 赤ちゃんがやってきた ]

登場人物
「私」

鎌倉在住の陶芸作家
初めての妊娠出産育児に新しい発見と面白みを見出す
家族とアシスタントさんに支えられながら育児と作陶を両立中 夫、義母、娘と四人暮らし


花紅(かこ)さん

2014年4月林家に誕生した女の子
心身共に健やかな人


ユパ様

腹の中にいたときの花紅さんの呼名


 
とまそん

夫 ミュージシャン
SheHerHerHersのベーシスト
鎌倉では「小川コータ&とまそん」としても活動中
嫁の仕事の影の立役者
哲学者のような深い洞察力で子育てを楽しむ


みっこさん

同居するお義母さん 野口整体指導者として毎日忙しく飛び回るが家ではキュートなお母さん兼、ばあば
「私」の憧れの女性


アシスタントさん

「私」のアトリエAt Home Worksに来てくれるアシスタントさん達
皆が積極的に子育てにも協力
アトリエではミルク、オムツ、寝かしつけ、作陶となんでもこなす。
チームAt Home Worksとして見事な連携プレーをみせる

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