At Home works

スタッフブログ 記事一覧

ある日の驚いたこと 

陶芸作品は、形を作った後に乾燥させる工程が必須です。天気がいい日、うちの場合はデッキで作品を乾燥させています。

作ったマグを乾燥させていたある日、驚いたことが起こりました。

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え?なにこれ。

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えーーーなになになになに。
割れてる!いや、溶けてる?
最初に見たときは訳がわからなかったのですが、よく目を凝らして見るとなんだかちょっと切り口がギザギザしている気がする。

これは、齧られている。
誰かが、土を、食べている。

周りを見たら乾していた作品の殆どがちょっとかけて(齧られて)いて、何者かの突然の襲撃にあたふた。

そこに一匹の蜂がブーーン。
乾かしてる作品に着地する蜂。
ブーーン…かじかじかじ…

わ!犯人!!!

その日以来、いくらお天気が良くても、乾し日和でも、デッキで作品を乾かすことは極力避け、どうしてもという場合は飛んでくる蜂に目を光らせながら緊張感を持って乾かしています。

蜂襲撃事件に関してもうひとつ驚いたこと。
最近のことなのですが、おもむろにデッキへ出た彩さんは
「食べるのはこれだけにして。これならいいから。」
としきりに蜂に話しかけ、教え込んでいました。そのお陰で、作品が齧られることも少なくなりました。ほんとの話です。
あぁ、たとえ対虫であっても話せばわかるってことなんだなぁと思いました。

スタッフ 佐々木

もう8月ですね 

7月が終わるスピード、あまりにも速すぎたと思いませんか。
この頃は、秋の個展へ向けての制作をしています。同じ作品でも1つ1つ表情が違うので、たくさんの中からお気に入りを見つけてもらえるよう、せっせと作陶する日々です。

8月に入りましてアトリエの周りでも、虫取り網と虫かごを携えた、絵に描いたような夏の子供たちを目にする機会も増えてきました。
今の時期、仕事を終えて江ノ電に乗ると、床が砂だらけなこともたびたび。
「たくさん遊んできたんだなぁ」
砂だらけの床と、日に焼けてぐっすり眠っている海水浴帰りの人たちの微笑ましい姿に夏を実感しています。

先日、私の好きな作家さんのエッセイで「夏裁判」という言葉を目にしました。
「夏なにしてた?」と問われたとき、勝てるエピソードや物的証拠(写真やお土産など)を持っているかどうか、というもの。普通「秋なにしてた?」とは聞かれないし、毎年夏は裁判にかけられているような気がしてしまう、と書かれていました。

はっとしました。
私、夏裁判に勝てるアイテム持ってないかも!!
でもそういえば去年ノキノシタの縁側で、みんなでスイカを食べてたとき、アシスタントさんが「今すごく夏楽しんでる感じがする!」って言ってたな…。
とりあえず縁側でスイカを食べてみて、それでもダメなら「海水浴帰りの人たちと江ノ電に乗った」で、この夏は勝負してみようと思います。

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スタッフ 佐々木

陶芸家の血 

彩さんは、ろくろを挽いているときが一番魔法使いに見えます。
土のかたまりにそっと手を添えていると、にゅーっと形が変わっていって、あっという間にできあがる。そしてまた次の土のかたまりにそっと手を添える。
やわらかく伸びる土にそーっと、すーっと手を沿わせて作品をつくる姿は、初めて見たときから今も変わらず、私には本当に魔法使いのように見えています。

「魔女の血、絵描きの血、パン職人の血。神様か誰かがくれた力なんだよね。おかげで苦労もするけどさ。」(『魔女の宅急便』)

キキは血で空を飛ぶと言っていました。
みんな何かの血が流れ、誰かからもらった何かの力を使って生きてるのでしょう。
それなら私にはどんな血が流れているんだろう。
ろくろを挽く彩さんを見ながら、そんなことを考えていました。

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スタッフ 佐々木

言葉の不思議 

「花粉ひどくない?」
「雪降りそうなくらい寒い」
これらの言葉を発するとき、実際にその状況を不快に感じていながらも、どこか嬉々としてる自分がいます。
花粉がひどいのはかなり辛いし、雪が降ったら困ることも多い。なのにちょっとわくわくしてしまっている自分が見え隠れしている。

ですが、実際にその状況が不快であり、尚且つ発した途端にその不快さが増す魔法のような言葉があります。
それが「暑い」です。

暑い。
毎日毎日ほんとに暑い。去年より確実に暑くなっている気がする。
暑い夏が好きな方はもちろんたくさんいらっしゃると思いますが、私はなんせ暑いのが苦手なのです。できたら海はエアコンの効いた部屋から見たいし、秋冬秋冬を繰り返す一生でも良いとさえ思っています。

陶芸は、夏暑く冬寒い仕事です。(スタッフのなるみちゃんは、ついにビーチサンダルで仕事をしはじめました。)
「暑い」は意図的に発せられることよりも、つい口からこぼれてしまうことが多い。そのため、暑い時間になると「暑い」が連発されてしまいます。ですが先ほど述べたように「暑い」は、発せられた途端に不快さが増す魔法がかかっているので連発は避けたい。何か良い方法がないだろうか。
しばらく考えたのち、私たちは「暑い」を「燃焼」に言い換えることにしてみました。

「暑っ…あ!燃焼燃焼!」
「ふー、ねんしょー!」

暑いのではない、今自分は身体に溜まった脂肪を燃焼しているのだと言い換えることで、不快感よりもむしろ爽快感すら…

感じないです。やっぱり暑いものは暑い。
エアコンつけて今日もばっちり頑張りました。

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スタッフ 佐々木

釉薬って 

陶芸をはじめるまで、私は「釉薬」という言葉も、それが何かも全く知りませんでした。
陶器の表面を覆っているツルッとしたガラス質の部分。灰や石を砕いた粉状のもの、それらを水で溶かして、素焼きした作品にざばっとかけたり、筆でちょんちょんとつけたりします。
驚きました。初めて知ったとき「粉、て。」と思いました。粉があんなツルッとしたものになるなんて。

また、釉薬は今見えてる色がそのまま出るわけではないということ。
驚きました。鉄分の割合や、焼く時の酸素量で色が変わる。そんなものを扱うだなんて「化学者みたいでかっこいい。」と思いました。

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実際は化学者のような白衣はもちろん着ず、その代わりにエプロンをつけて、舞う粉塵に目を細めながら細かく計量したり、出来上がった釉薬を飛び散らせながらザルで漉したり、バケツの底に沈殿して固まった釉薬を素手でかき混ぜるといった作業をします。

釉薬を素手でかき混ぜる。

冬場になると1番辛い作業です。
なぜかというと、冷えたドロドロ(釉薬)は鬼のような冷たさだからです。今の季節は全然余裕なのですが、寒くなると何かの苦行かと思うような作業。それでも絶対に必要な作業。
アトリエのみんなは、何よりもまず釉薬や土の温度で季節の変化を実感するという変わった特技を身につけています。
また釉薬の冷たい季節になったら、冬場の釉がけ作業の様子をお話ししますね。

スタッフ 佐々木

仕事をしてるときのお話 

めちゃめちゃ売れてる前提だったら、歌手、ダンサー、役者、どれがいいですか?

洋菓子か和菓子、この先おやつは一生どちらかって言われたらどっちにします?

中華料理で夢の5品ってなんです?

これらはすべて、仕事中に繰り広げられる会話です。
もちろん、どの質問もみんな真剣に考えます。

「主役を食っちゃう助演ポジで」
「ゼリーはどちらにも属さないとしましょう」
「ビールは1品にはいりますか?」

誰かが鼻唄を歌えば誰かがその鼻唄を泥棒する。
観たことない映画のストーリーを、観たことありますと言えるようになるくらいまで細かく教える。

私たちは仕事しながら、こんなことを話したり、やったりしています。ふとした時に突然はじまる「もしも〜」的な話から、「来世はなんだと思う」的な壮大なものまで。

ふざけてるわけではないし、ずっとおしゃべりしてるわけでもありません。どんなときも、せっせせっせと手を動かし続けています。
ポイントは「お喋りするけどサボらない」というところ。

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仕事をする環境ってさまざまですが、うちのような環境はかなり稀なはず。気軽にお喋りできる人がそばにいなかったり、鼻唄を歌える雰囲気じゃなかったり。
もちろん「無駄話」と言われればそれまでなのですが、私は、誰も喋らずに作る10個のカフェオレボウルよりも、みんなが鼻唄を歌いながら作る10個のカフェオレボウルの方が好きです。

作品は、作る人の思いやその場の空気、色々なもの吸い込んでいるはず。
だからこそ、作品が生まれる場所には良い空気が流れていてほしい。なによりも作っている自分たちが楽しんでいたい。そんなふうに思うのです。

スタッフ 佐々木

子供と大人 

先日、鎌倉学び舎さんにてワークショップを行いました。
そのとき皆さんが作った作品がこちら。

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自由な線、自由な形。
「大人では出せないよね」
「迷いがないもん」

最近お子さんが参加するワークショップをさせていただくことも多く、出来上がる作品の素晴らしさに毎回私たちも驚かされています。

お家のお皿を作るワークショップは、普段のワークショップでもとても人気です。
見本は同じものを用意してるのですが、やはり大人の回と子供の回では違いがあります。

「子供の作るものだから素敵」ということではなくて、それぞれにこだわるポイントが違うのかもしれません。

たぶんお子さんたちは描きたいものを描き、作りたい形を作る。そこをとても大切にする。
一方大人のみなさんは、使い勝手や大きさはどうかなど、自分の作品を如何に日常の中で生かせるかを考えて作る。そこをとても大切にする。

もちろん、描きたいものを描く大人だって、使い勝手を考える子供だっています。

どちらもとても大切なこだわりで、モノを作るにあたってすごく重要なポイントだと私は思うのです。
どちらのポイントにもこだわることを怠らず、作品と向き合っていきたいです。

スタッフ 佐々木

ご近所さんに支えられて 

ここ最近、ご近所さんから手作りのお菓子をたくさんいただきます。
どれも美味しくて、可愛いのです。

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自分たちではなかなか作れないような凝ったお菓子をいただいては、美味しくいただき、食べ終わる頃にまた違うお菓子をおすそ分けしてくださる。
そしてまた美味しくいただき、食べ終わる頃には…

なんだかすみません!ありがとうございます!
「私たちもなにかお返しをせねば。」と言いながら、今日もリンゴのコンポートとクリームチーズのケーキをいただきました。
三層になってて、ちょっとワインが効いてて大人の味。

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朝から晩まで、窯たきの日には深夜まで仕事をしている私たちのアトリエを、たくさんのご近所の方々が本当に温かく見守ってくださっています。
いかに周りに支えられながら自分たちが仕事できているかを実感する日々です。

スタッフ 佐々木

6月になりました 

おはようございます。
一年の前半戦締めくくりの月がはじまりました。

アトリエ展から1ヶ月。
おかげさまでAtHomeWorksの器たちは、たくさんの方々のもとへ旅立っていきました。来てくださった皆様、本当にありがとうございました。

春からはじまった「旅と器と。」も、今日から新しい場所を旅しているようです。「旅と器と。」特設ページもぜひご覧くださいね。
http://www.utsuwato.com

さて、このところの私たちはというと…。
アトリエ展が終わってホッとする間も無く、毎日作品作りに勤しんでおります。

窯出しの日。
花浅葱のちょこが綺麗にあがりました。
釉薬の配合、濃さ、厚み、窯の具合。絵の具のように、白と青を混ぜたら水色になる、塗った色がそのまま出る、というわけにはいかないのが釉薬です。
狙い通りの色と雰囲気を出すために、微妙な調整を繰り返し、釉薬は作られています。
彩さんとなるみちゃんが試行錯誤している様子を間近で見ているので、窯出しのときは私も本当にどきどき。毎回祈る気持ちで扉を開けてます。
そんな風にして作られたのが、花浅葱のちょこなのです。

誰かのお気に入りになるように。
そんな思いを込めて、今日も器をつくります。

スタッフ 佐々木

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旅レポ〜「味わう器」@HOUSE YUIGAHAMA 

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アシスタントなるみです。

At Home Works「旅と器と。」
HOUSE YUIGAHAMAさんでの「味わう器」が明日までとなりました。

12月まで続くこの旅の始まりのお店として、
企画段階からわくわくを共有し携わってくれた
HOUSE YUIGAHAMAのスタッフの皆さま
本当にありがとうございました!

At Home Worksとしては初めての試みであった
オープニングパーティーも
おかげさまで素敵な時間となり
本当に皆さまに支えていただいているのだなと実感しました。
いつも応援していただいている皆さまの顔を見ながら過ごす空間というのは
ありがたいなー、嬉しいなー、喜んでもらえてよかったなー
という気持ちでいっぱいになりますね。

HOUSE YUIGAHAMAさんで
At Home Worksの器を味わえるのは明日5/20(金)まで!
今朝は、おねだりしたら特別仕様のラテを作ってくださいました!
ラテアート師あびちゃんの技が光ります!すごい!かわいい!
いつも笑顔で迎えてくださるあかねさん曰く「実は人気メニュー!」な
あんバターもとっても美味しかったです!ハマりますねーこれ。

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店内のディスプレイにもこだわってくださり、
BGMは「小川コータ&とまそん」
スクリーンには映像作家・村上未知さんによるAt Home Worksの紹介映像、と。。
至れり尽くせりで本当に感謝感謝です。
(映像は近日中にサイトでも公開予定です!お楽しみに!)

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本日は器にぴったりなほうじ茶のマフィンも焼いてくださったとのこと!
皆さまもぜひ足を運んでみてくださいませ。

「味わう器」はこの先も月替わりで各地を旅します。
次は鎌倉・御成通りにあるWanderKitchenさんにて!
6/1(水)から6/20(月)までです!
詳細は「旅と器と。」特設サイトをご覧ください。

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