At Home works

2017年06月の記事一覧

釉薬って 

陶芸をはじめるまで、私は「釉薬」という言葉も、それが何かも全く知りませんでした。
陶器の表面を覆っているツルッとしたガラス質の部分。灰や石を砕いた粉状のもの、それらを水で溶かして、素焼きした作品にざばっとかけたり、筆でちょんちょんとつけたりします。
驚きました。初めて知ったとき「粉、て。」と思いました。粉があんなツルッとしたものになるなんて。

また、釉薬は今見えてる色がそのまま出るわけではないということ。
驚きました。鉄分の割合や、焼く時の酸素量で色が変わる。そんなものを扱うだなんて「化学者みたいでかっこいい。」と思いました。

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実際は化学者のような白衣はもちろん着ず、その代わりにエプロンをつけて、舞う粉塵に目を細めながら細かく計量したり、出来上がった釉薬を飛び散らせながらザルで漉したり、バケツの底に沈殿して固まった釉薬を素手でかき混ぜるといった作業をします。

釉薬を素手でかき混ぜる。

冬場になると1番辛い作業です。
なぜかというと、冷えたドロドロ(釉薬)は鬼のような冷たさだからです。今の季節は全然余裕なのですが、寒くなると何かの苦行かと思うような作業。それでも絶対に必要な作業。
アトリエのみんなは、何よりもまず釉薬や土の温度で季節の変化を実感するという変わった特技を身につけています。
また釉薬の冷たい季節になったら、冬場の釉がけ作業の様子をお話ししますね。

スタッフ 佐々木

仕事をしてるときのお話 

めちゃめちゃ売れてる前提だったら、歌手、ダンサー、役者、どれがいいですか?

洋菓子か和菓子、この先おやつは一生どちらかって言われたらどっちにします?

中華料理で夢の5品ってなんです?

これらはすべて、仕事中に繰り広げられる会話です。
もちろん、どの質問もみんな真剣に考えます。

「主役を食っちゃう助演ポジで」
「ゼリーはどちらにも属さないとしましょう」
「ビールは1品にはいりますか?」

誰かが鼻唄を歌えば誰かがその鼻唄を泥棒する。
観たことない映画のストーリーを、観たことありますと言えるようになるくらいまで細かく教える。

私たちは仕事しながら、こんなことを話したり、やったりしています。ふとした時に突然はじまる「もしも〜」的な話から、「来世はなんだと思う」的な壮大なものまで。

ふざけてるわけではないし、ずっとおしゃべりしてるわけでもありません。どんなときも、せっせせっせと手を動かし続けています。
ポイントは「お喋りするけどサボらない」というところ。

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仕事をする環境ってさまざまですが、うちのような環境はかなり稀なはず。気軽にお喋りできる人がそばにいなかったり、鼻唄を歌える雰囲気じゃなかったり。
もちろん「無駄話」と言われればそれまでなのですが、私は、誰も喋らずに作る10個のカフェオレボウルよりも、みんなが鼻唄を歌いながら作る10個のカフェオレボウルの方が好きです。

作品は、作る人の思いやその場の空気、色々なもの吸い込んでいるはず。
だからこそ、作品が生まれる場所には良い空気が流れていてほしい。なによりも作っている自分たちが楽しんでいたい。そんなふうに思うのです。

スタッフ 佐々木

6月のワークショップが終わりました 

6月のワークショップ「どんぶりをつくろう」&「釉薬講座」が終わりました。
たくさんの方にご参加頂きまして、ありがとうございました。

ひさしぶりの大物ワークショップ。
土を細長い紐状にコロコロころがして、ぐるっとまわして積み上げて、積んだ土を下の土と繋いで高さを出す。
簡単そうで意外と難しいのが紐作り。紐作りは、高さを出したいときに向いている作り方です。

土曜日はとても良いお天気で気温も高かったので、アトリエでは扇風機をまわしました。(今年初の扇風機でした)
暑くなってくるとそのぶん土が乾燥しやすくひび割れてくるのですが、みなさん土のひび割れと格闘しながら作陶されていました。

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出来上がった作品の写真を撮りながら、ある方が
「あー愛おしくてたまらないです!」とおっしゃっていて
そうですよね、ほんとにその通りですよね、と思いました。
思い通りの形にできても、思ったのとちがくなっても、自分の手で作った作品は可愛くて仕方がないものなのです。

子供のときって、幼稚園や小学校で、絵とか工作とか何かしら自分の手でモノを作る機会って多かったけど、大人になるとなかなかそうもいきません。
出来上がった作品が歪んでいても、不恰好でも、そんなことは重要じゃなくて、むしろそこさえも愛おしく思えちゃう不思議。
モノをつくることってとても楽しいですよ。

今月のまかないランチはナスとズッキーニのドライカレーにしました。来月のワークショップがカレー皿なので。
ナスはナス科ナス属、トマトもナス科ナス属。
ズッキーニはウリ科カボチャ属。
野菜の区分けは摩訶不思議ですね。

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スタッフ佐々木

子供と大人 

先日、鎌倉学び舎さんにてワークショップを行いました。
そのとき皆さんが作った作品がこちら。

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自由な線、自由な形。
「大人では出せないよね」
「迷いがないもん」

最近お子さんが参加するワークショップをさせていただくことも多く、出来上がる作品の素晴らしさに毎回私たちも驚かされています。

お家のお皿を作るワークショップは、普段のワークショップでもとても人気です。
見本は同じものを用意してるのですが、やはり大人の回と子供の回では違いがあります。

「子供の作るものだから素敵」ということではなくて、それぞれにこだわるポイントが違うのかもしれません。

たぶんお子さんたちは描きたいものを描き、作りたい形を作る。そこをとても大切にする。
一方大人のみなさんは、使い勝手や大きさはどうかなど、自分の作品を如何に日常の中で生かせるかを考えて作る。そこをとても大切にする。

もちろん、描きたいものを描く大人だって、使い勝手を考える子供だっています。

どちらもとても大切なこだわりで、モノを作るにあたってすごく重要なポイントだと私は思うのです。
どちらのポイントにもこだわることを怠らず、作品と向き合っていきたいです。

スタッフ 佐々木

ご近所さんに支えられて 

ここ最近、ご近所さんから手作りのお菓子をたくさんいただきます。
どれも美味しくて、可愛いのです。

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自分たちではなかなか作れないような凝ったお菓子をいただいては、美味しくいただき、食べ終わる頃にまた違うお菓子をおすそ分けしてくださる。
そしてまた美味しくいただき、食べ終わる頃には…

なんだかすみません!ありがとうございます!
「私たちもなにかお返しをせねば。」と言いながら、今日もリンゴのコンポートとクリームチーズのケーキをいただきました。
三層になってて、ちょっとワインが効いてて大人の味。

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朝から晩まで、窯たきの日には深夜まで仕事をしている私たちのアトリエを、たくさんのご近所の方々が本当に温かく見守ってくださっています。
いかに周りに支えられながら自分たちが仕事できているかを実感する日々です。

スタッフ 佐々木

6月になりました 

おはようございます。
一年の前半戦締めくくりの月がはじまりました。

アトリエ展から1ヶ月。
おかげさまでAtHomeWorksの器たちは、たくさんの方々のもとへ旅立っていきました。来てくださった皆様、本当にありがとうございました。

春からはじまった「旅と器と。」も、今日から新しい場所を旅しているようです。「旅と器と。」特設ページもぜひご覧くださいね。
http://www.utsuwato.com

さて、このところの私たちはというと…。
アトリエ展が終わってホッとする間も無く、毎日作品作りに勤しんでおります。

窯出しの日。
花浅葱のちょこが綺麗にあがりました。
釉薬の配合、濃さ、厚み、窯の具合。絵の具のように、白と青を混ぜたら水色になる、塗った色がそのまま出る、というわけにはいかないのが釉薬です。
狙い通りの色と雰囲気を出すために、微妙な調整を繰り返し、釉薬は作られています。
彩さんとなるみちゃんが試行錯誤している様子を間近で見ているので、窯出しのときは私も本当にどきどき。毎回祈る気持ちで扉を開けてます。
そんな風にして作られたのが、花浅葱のちょこなのです。

誰かのお気に入りになるように。
そんな思いを込めて、今日も器をつくります。

スタッフ 佐々木

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